(あれ? あそこにいるのは……。) 「ダメだ! 動かないで! 今の君のポーズが ボクをインスパイアするんだ! 「いや、俺、 これから仕事が……。 「ボクは気にしない! さあ、もう一度 さっきのポーズを見せて! 「……おい。 『どうしたの、ふたりとも? 「やあ、如月くん。 ごめんね、今、取り込み中なんだ。 『……取り込み中? 「いや、べつに…… こいつが絵のモデルやれって きかなくて……。 「じっとして! 『三原くん…… 葉月くん、 困ってるみたいだよ? 「どうして? 『だって、 急に言われても、 みんな予定があるし。 「……じゃあ、俺、 そういうことで。 「あ、葉月クン!? 『葉月くん、 きっと本当に忙しいんだよ。 「……そう…… それでも彼は、いつか ボクのところに戻ってくるよ。 『……そうなの? 「だって彼は、美を伝えるために この世に遣わされたんだから…… ボクと同じように……。 「如月くん、そうだね? 『う、うん……そうかな。 |