(あれ? あそこのふたり、 葉月くんと守村くんだ。) 『おーい!? 「……あ、如月さん。 こんにちは。 『今日はどうしたの? ふたりして。 「はい、 今ここで葉月君を見かけて、 それで、つい話し込んでしまって。 「……じゃ、オレ、 仕事あるから。 「あ、はい。 がんばって。 『じゃあね。 「この公園で ときどき見かけるんです。 葉月君。 『そうなんだ…… 守村くんと葉月くんって、 どんな話するの? 「そうですねぇ…… 植物のことや、将来のことや…… 実は、話すのは僕ばかりですけど。 (やっぱり……。) 「でもずいぶん前、中学の頃…… 彼、一度だけ話し掛けてきて くれたことがあって……。 「僕が、校庭で 花壇の手入れをしていたら、 ”花が好きなんだな”って。 「ただ、それだけなんですけど、 僕、その頃よくひとりでいたから、 とてもうれしくて。 「葉月君、口数が少ないから ときどき誤解されてしまう みたいだけど……。 「僕は彼と話すの、好きです。 ……ちょっと、植物と話すのに 似ています。 「……いけない、 買い物の途中でした。 では、僕はこれで。 (そっか…… 守村くんと葉月くん、 けっこう気が合うのかも。) |